討論原稿


 私は、議案第30号豊田市国民健康保険税条例の一部を改正する条例に対しまして反対の立場から討論いたします。この条例は、介護保険制度の実施ならびに国民健康保険事業の適正な運営及び納税義務者の負担の軽減を図る為、介護納付金課税額の税率の設定、基礎課税額の税率の改定、軽減額の引き上げ等所要の改正を行なうとしていますが、必ずしも納税義務者の負担軽減になっていないものであります。例えば、固定資産を持たない世帯主と奥さんの2人家族で所得が60万円だった場合、75,100円から82,300円と7,200円も上がってしまいます。また同様に、固定資産を持たない世帯主と奥さんの2人家族で所得が200万円だった場合は、153,500円から160,700円と7,200円上がってしまいます。では、固定資産を持たない世帯主と奥さん、子供2人の4人家族で所得が400万円だった場合は、どうか。306,300から318,300円とやはり12,000円のアップとなります。この国民健康保険税に更に40歳〜64歳の方がおみえになった場合は、介護保険税分も納めなければなりません。今回の改正は、固定資産を持たない低中所得者にとっては、大幅値上げであり賛成できるものではありません。ですから私は、議案第30号豊田市国民健康保険税条例の一部を改正する条例に反対致します。

続きまして議案第42号平成12年度豊田市一般会計予算について反対の立場で討論いたします。
本予算案は、高齢者福祉事業や小中学校等のコンピューター機器整備事業、公民館改築や消防署(仮称)逢妻出張所建設など市民各層の要望に応える数々の予算が計上されており多くが評価できるものと思います。
しかしながら、一般会計予算のうち8款、土木費、第5項11目の(仮称)新中央公園費・豊田市スタジアム建設費に143億1,716万6,000円が予算計上されており、これにつきましては、賛成することはできません。
先日公開されました、電通試算の収支予測や他のスタジアム収支の現状を調査すれば明らかな様に、大阪長居陸上競技場で6億4,000万円の赤字、横浜国際総合競技場は10億円の赤字です。(仮称)豊田市スタジアムの維持管理費の赤字額も数億円単位になることは確実であります。スタジアムの運営組織は、市直営ではなく第3セクター方式になるようでございますが、維持管理費の赤字は委託施設管理費とでも計上し、どちらにしても市として市税を補填される事は間違いないでしょう。ですから、出来てしまってからの事を考えれば、無理に市制50周年の来年に完成を目指さなくてもいいのではないかという声も聞かれています。また、あれだけの施設です。10年も経てば定期的な補修費も億単位で掛かることでしょう。更には、12年度の起債27億1,920万円の返済は、元金、利子を含め次世代に負担をかけることになります。本市は中核市となり保健所業務をはじめとする2,700項目に及ぶ事務が、県から移譲されるとともに少子化対策、高齢化問題等の財源も更に必要となってまいります。億単位の財源があれば、まだまだ早急にやるべき事はたくさんあるはずです。そうしたこの時期に、公債費比率が10%以内だからといって一般会計市債発行残高を876億円にしてまで単一事業に140億を超える予算を投入するこうした事業は、市民の合意形成がなされてはじめてできるはずです。
3月3日付の地元紙によると市当局が建設の最大の根拠にしていた25万人署名の実際に署名された方の数について推測統計学の手法を用いた分析がされていました。これによりますと70%の信頼水準で署名された方の数は3万4千人から4万1千人の範囲で収まるそうであります。正規分布の性質を利用して99.9%という最も厳しい信頼水準を採用して見積もると25万人署名には2万5千人から多くて5万人弱しか署名していないと断言できるそうです。こうして考えますと、1ヶ月という短期間で住民投票を求めて集められた3万2千人の署名と組織的に、かつ時間をかけ、明確な意図を伝えぬまま署名された、25万人署名の重みの違い等、市民の大多数が建設賛成ではなかった事がはっきりわかると思います。
ですから私は、こうした理由によりスタジアム建設を含む 議案第42号 平成12年度豊田市一般会計予算について反対致します。

続きまして請願第1号の放課後児童健全育成事業の充実を求める請願につきましては、賛成の立場から討論いたします。
本市における放課後児童健全育成事業は、開設校として平成10年度の12校、平成11年度の15校、そして平成12年度として19校、1施設と増設され、また、開設時間も午後5時30分、必要に応じ6時まで対応してくれるなど徐々に充実してまいりました。これは、大変評価される事であります。
しかしながら、まだまだ市民の要望に応えたものではありません。県の目標値としても平成5年7月に あいち8か年福祉戦略、愛フルプランが策定され平成12年度までに1中学校区に1校開設という目標を掲げています。本市の現状を見てみますと12年度に5ヶ所開設されますと20ヶ所にはなります。しかし、中学校区で考えますと朝日丘、豊南、石野、松平、竜神の5中学校区には、開設されてはおりません。
他の自治体を見てみましても多くの近隣自治体が充実した放課後児童健全育成事業を進めておられます。例えば大府市では、市内全8小学校区にて開設されていますし、土曜日や春休み、冬休みの一部でも開設されており、公営公設のクラブだけでなく民間の児童クラブに対しても助成し支援しているそうであります。
お隣の藤岡町でも祝日や春休み、冬休みの一部でも開設されるそうです。
少子化が問題とされる現在、又、将来にわたって子供を安心して生み、育てられる環境を中核市でもある本市が先頭にたって放課後児童健全育成事業の推進を図っていく責務があると感じます。
児童福祉法第21条の11では、次のように謳っております。
「市町村は、児童の健全な育成に資するため、第6条の2第6項に規定する児童の放課後児童健全育成事業の利用に関し相談に応じ、及び助言を行い、並びに地域の実情に応じた放課後児童健全育成事業を行うとともに、当該市町村以外の放課後児童健全育成事業を行う者との連携を図る等により、当該児童の放課後児童健全育成事業の利用の促進に努めなければならない。」
まさに本請願は、児童福祉法第21条の11の精神そのものであります。
署名されました584名の方々の想いに応えるためにも、また、未来の働くお父さん、お母さん、そして、子供たちのためにも本請願を採択して頂く事を祈念致しまして、賛成の討論とさせていただきます。