平成13年3月定例会 討論   

1番(岡田耕一君) 

私は、議案第6号 豊田市情報公開条例の一部を改正する条例について賛成の立場から討論させていただきます。

今回の改正は、社会情勢の変化や時代の要請、また、市政に対する市民の日常的参加を踏まえ、平成129月から12月にわたって検討されました豊田市情報公開審査会の答申を受けたもので、改正内容は、非常に評価できるものであります。

私も昨年の6月定例会で要望を含めた一般質問をさせていただき、今回の改正点である知る権利、説明責任の明記、特に新たに条文をおこした第23条の市が2分の1以上出資する法人に対する情報公開と指導の明記については、要望どおりで大変評価できる内容です。

しかしながら、平成10331日以前の文書等の全面公開、公開請求者を何人もできるようにすること等、まだまだ改正すべき点も多く残っていることも確かです。こうした点が今後、改正されることを期待し、運用面で全面的な公開を期待し、賛成討論と致します。

 

続きまして、議案第7号 豊田市報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例について反対の立場から討論いたします。

特に我々市議会議員の議員報酬の増額についてひとこと申し上げます。今まさに春闘、賃上げ交渉真っ盛りで業績の良い企業、悪い企業、良い業種、悪い業種で大きな差が出ている昨今であります。迷走する森内閣、定まらない景気対策、経済政策等、まだまだ経済的に厳しい状況に変わりがありません。また、本市のみを見ましても豊田そごう閉店に伴い失業された方も非常に多くみえます。また、昨年9月の東海豪雨災害で被災された方々を思いますと、多くの市民が経済的に苦労されているにもかかわらず、市民の代表、代弁者である我々市議会議員の報酬を増額させてしまうのは市民感情的にも許されないでしょう。

確かに議員報酬は、生活給であると同時に実質的には政治活動費、調査研究活動費を報酬から出しているのも事実です。こうした側面を考えますと我々の生活は決してゆとりのあるものでもないことも確かです。しかし、こうした厳しい時期に報酬等審議会の答申を受けたとは言え、市議会議員報酬の4000円増額、正副議長の3000円増額は、いかがなものかと思ってしまいます。

私は、こうした社会情勢、経済状況であることを踏まえ、今回の議員報酬増額を含む議案第7号 豊田市報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例については反対いたします。

 

次に議案第25号 平成13年度豊田市一般会計予算について反対の立場から討論させていただきます。

本予算案は、放課後児童健全育成事業等子育て支援策の充実や高齢者福祉施設整備、また、昨年9月の東海豪雨災害の教訓を生かした防災対策事業など市民各層の要望に応える数々の予算が計上されており多くの事業が評価できるもの確かです。
 しかしながら、一般会計予算のうち市民にとって必ずしも共感できないものも多数あります。

7款 商工費 1項 2目 産業振興費 については、商業団体事業補助金のうち4団体に緊急経済対策特別事業として76,200千円の補助金を致しますが、その大半は、5億円発行予定のプレミアム商品券の補助金になります。

このプレミアム商品券は、人気が高いのも確かですが、多くの市民が購入したいにもかかわらず買えないという状況もあります。だから発行数を3億円から5億円にするというのも理解できないわけではありませんが、上限10万円では、5000人しか買うことができません。豊田市の世帯数約124000世帯から考えますと約4%の世帯しか恩恵を受けないということになります。全市民に恩恵があるようにばらまきをしろと言っているのではありません。市民の皆さんからお預かりしている大切な税金です。公平に平等に再分配すべきといっているのです。できないのであればこうした事業補助はすべきでないと考えます。

 

次に8款、土木費、5項11目 施設管理費58200万円余の計上です。

これは、12月議会で資料として頂いております2003年積算としての試算では年間維持管理費は42100万円余と比較いたしまして16000万円以上のアップということになります。使用料収入を差し引いても約5億円が維持管理赤字ということになります。これは、7月末のオープンから3月末までの約8ヶ月間でこれだけの赤字額になるのです。

1年トータルすると赤字額は7億円でしょうか8億円でしょうか。

市民運動グループである当時の巨大サッカー場問題を考える会、現在のサッカー場問題を忘れない!とよた市民の会が、維持管理赤字が膨大な額になると指摘していた時には、年間5000万円の赤字ですむと言っておりました。

電通試算では、これが、6000万円から43000万円の赤字額となり、今回のオープン直前では、8ヶ月間で5億円という巨額な赤字の予想です。

また、この新中央公園費・豊田市スタジアム建設費として85億円余も計上されております。

特に今回の建設費は、よく考えなければなりません。昨年の予算計上額から考えますと金額は、半減しているかもしれません。しかし、代表質問での岡田中央公園室長のご答弁でもありましたように35億円とも言われる巨額な建設費の増額が待ち構えているのです。こうした数々の問題を抱えるこのスタジアム、まさに豊田市制50周年の最大の汚点を残す事業になってしまうのではないでしょうか。

 

更には、豊田スタジアムに関連する10款 教育費 8項 2目 社会体育費    スポーツ振興費のうち児童生徒スポーツ観戦費としてJリーグ公式戦観戦で28,080千円の計上をしていることについても大いに疑問を感じております。

いよいよこの7月にスタジアムがオープンしますが、やはり利用頻度に問題があるのか、収益性に問題があるのか、どうかわかりませんが、だからこうした夢と感動を与える事業という詭弁でこのようなスポーツ観戦を思いついたとしか思えないのです。議案質疑でも確認しましたが、他の自治体でこうしたサッカー観戦を教育と称して無料で観戦している自治体はどこにもないとのことでした。

なぜ、Jリーグ公式戦観戦が感動体験事業なのか、感動を体験させるというのは、教育として他にやることはないのでしょうか。優秀な人材がそろっている豊田市役所の職員さんの発想とは思えません。

一度犯したミスが全てに対して関連してしまい、無理やり利用しようとしている現状をはたから見るとこっけいにしか見えません。こうした現状を作り上げてしまったこのスタジアム建設費等を含む平成13年度豊田市一般会計予算について反対させていただき、反対討論と致します。

 





(その2)

私は、議案第70号 経済情勢の変化に伴う中心市街地の商業等の活性化に関する条例について反対の立場から討論いたします。

 

まず、条例第1条の目的について考えますと主旨は十分理解できるのですが、中心市街地のエリアの設定が条文にはされていません。時代、時代によって中心市街地をどこまで定義するのか変わる可能性もありますし、豊田市駅周辺をいつまで中心市街地と呼ぶのかわかりません。中心市街地が、その時代、時代で都合のいいように変わってしまう恐れがあります。

 

また、第3条の助成措置等については、助成措置する金額の上限設定がされていません。今回は貸付金48億円と資本金3億円の合計51億円が税金から支払われますが、際限なく公的資金投入の恐れがこの条例ではあります。

 

更には、この条例は、時限立法的な条例ではなく、今の段階では継続的な条例として存在していくとのことです。市民にとっては同じことの繰り返しを最も心配しており、経営不振に陥った企業に対して何度でもこの条例をよりどころにして公的資金を投入する恐れがあります。

 

近年で考えれば、豊田タウン松坂屋ストア、長崎屋、アピタ等中心市街地に出店された大手スーパー等は、ことごとく撤退しています。もし,この条例がその当時に存在していれば全てに対して多額な公的資金をつぎ込んでいた可能性もございます。

 

こうした際限なく公的資金投入の根拠になる今回の議案第70号 経済情勢の変化に伴う中心市街地の商業等の活性化に関する条例については以上の理由により反対させていただきます。

 

 

 

次に議案第71号 平成12年度豊田市一般会計補正予算について反対の立場から討論いたします。

 

新しい第3セクターに貸し付ける48億円と資本金になる3億円。これが今回の補正予算の額になります。

 

市が作成し、市民配布致しました「豊田そごう閉店に伴う市の対応策について」という広報誌を見ますと「市が最終的に資金貸付けを決定する場合の条件」として5つの条件が書かれています。

@    百貨店などの後継テナントが見込めること

A    まちづくりのための新しい第3セクターができること

B    豊田そごうから必要な土地建物等が経営上問題のない価格で取得できること

C    貸付金の回収が見込めること

D    市民の皆様にお知らせし、大勢として理解が得られること

となっていますが、

 

まず1点目、後継テナントとして松坂屋、名鉄百貨店が有力との情報があり、確かに見込めるレベルかもしれませんが、48億円を新しい第3セクターに貸し付けたのはいいが、その後、最終的にどこも後継テナントとして入居してくれないということが一番困った状態ではないかと思います。現状では、そういう状況にならないとも限りません。

 

また、(仮)豊田まちづくり(株)について考えますと1年後をめどに豊田都市開発(株)からの営業譲渡を行うことを前提にしています。

その豊田都市開発株式会社の営業内容としては次のものがあります。

 

@    不動産の売買、保有、賃貸借および斡旋、仲介

A    不動産の管理、維持、補修、警備および清掃

B    商店街、駐車場の管理

C    婦人洋服、洋品雑貨の販売

D    紳士洋服、洋品雑貨の販売

E    タバコ、入場券、日用雑貨、新聞、雑誌、書籍、食料品、酒類の販売および飲食店の経営

F    損害保険代理業、広告および宣伝業

G    商業に関する調査、企画およびコンサルティング

H    前各号に関連する一切の業務

となっています。

 

こうした業務の営業譲渡をされる豊田まちづくり(株)は、完全な営利企業です。

もし、公益性のある賃貸業以外の営利目的の業務をどうしてもやる必要があるのであれば完全に100%民間資本で会社を独立させるべきだと思うのです。

 

経営見通しについてでは、作成されたシミュレーションは、豊田都市開発(株)が作成し、監査法人トーマツが、チェックしたとのことです。

確かにこの監査法人トーマツは、国内に27の事務所と6ヵ所の連絡事務所、39都市に67名の海外駐在員を置く国内最大かつビッグ5と呼ばれる世界5大会計事務所の一つかもしれません。しかし、ココが、収支予測に間違いないとお墨付きをつけてもそのとおりになるとは限りません。

その前提は、あくまでテナントが、引き続き30年にわたって坪当たり平均賃貸料を4300円を支払ってくれることです。デフレといわれるこの経済状況ではたして返済シミュレーションどおり、返済されると議員の皆さん思っているのでしょうか。

 

返済を疑問視される市民は、市長や推進される方々の私財を担保として債務保証をすべきとの声もあります。まさしくそれが正常な感覚かもしれません。絶対、返済に間違いがないというのであればそのくらいの気持ちを持つべきだと思いますがいかがでしょうか。

 

今回この議案に賛成しようと思っている議員の皆さん、皆さんにそれだけの気持ち、思いがありますか。返済が困難になるとわかるのは15年後から20年後でしょう。その頃皆さんは、何をしているでしょうか。責任ある立場におられるでしょうか。

 

市民の皆さんからお預かりしている大切な税金を無駄にしてしまう可能性があるのです。どうか皆さん、よく考え、採決に臨んでいただきたいと思います。

 

市民の皆様にお知らせし、大勢として理解が得られることという条件につきましても多くの議員ご指摘の通り、時間的な制約があったとは言え、市民合意を得たとはとても言える状況ではないと思います。

 

確かに我々議員は、市民の代表として民意を反映させ意思表示をしますが、私自身まだまだ意見集約しきれていません。昨日も最後の調査ということで電話による聞き取りを数は30件弱と少ないのですが、実施しました。

 

今回の市が48億円貸し付ける計画に賛成される方が反対の2倍以上おられたのも事実です。しかし、話を伺うと48億円は絶対に帰ってくると信じてこの数字でした。万が一返済されなくても仕方がないと言われる方は、全体の中では1部でした。

 

また、高岡地区、上郷地区の大多数は、どちらでもいい、関心ない、関係ないといわれる方が大多数で賛成者は少数でした。

 

これらのことを考えますととても、大勢として理解が得られたとは思えないのです。

 

以上の理由により私は、議案第71号 平成12年度豊田市一般会計補正予算について反対させていただきます。