平成13年6月定例会 討論   


私は、議案第76号 については賛成、議案81号、96号、103号については反対の立場から討論いたします。

まず、豊田市廃棄物処理施設の設置に係る紛争の予防及び調整に関する条例 賛成の立場から討論いたします。

本市におきましては、豊田市が設置する一般廃棄物処理施設に係る生活環境影響調査結果の縦覧等の手続に関する条例、豊田市一般廃棄物処理施設条例、豊田市廃棄物の減量及び適正処理に関する条例等、主に市が管理する施設等に関する条例整備はされておりましたが、今回のような施設設置業者に対する条例を整備し、未然に紛争を防止、調整しようという姿勢は大変評価できるところであります。ただ1点お願いしたいことはこの条例施行が本来の主旨であります住民の利益と反することのないようにしなければならないことです。

今まででしたらこうした産廃施設等を設置するには最終的には自治区を代表して区長さんの区長印が必要だったと思いますが、この条例ではそうしたことは明記しておりません。環境部から伺った話では住民合意が前提というお話しでしたが、各種審議会のように意見書を提出されてもそれで終わりとうことにもなりかねません。

また、紛争が生じて事業者があっせんに応じなくても本申請は提出できるということでした。この条例は、すべて運用にかかってくるのです。規則にかかってくると思うのです。

ですから、豊田市廃棄物処理施設の設置に係る紛争の予防及び調整に関する条例が住民、市民にとって不利益とならない規則の作成、運用を期待、要望いたしまして議案第76号の賛成討論といたします。

 

続きまして議案第81号 平成13年度豊田市一般会計補正予算 歳出のうち8款土木費 中央公園・豊田スタジアム建設事業及び議案第103号工事請負契約の変更(矢作緑地施設整備工事)につきましては関連がありますので一括して反対の立場から討論いたします。

この問題につきましては、一般質問、議案質疑、委員会質疑でも多くの議論がございましたが、私は4つの理由から反対意見を述べさせていただきます。

まず1点目、今回の5億円にのぼる補正予算、工事請負契約の変更は、市長曰く「お支払いしなければならないものはお支払いする」という考えのようですが、市民の立場からすれば「情報公開と市民参加型市政」を掲げられている鈴木市長がスタジアム完成直前までこの問題を先送りし、情報を隠そうとしていたことが納得できないのです。そして、不信感につながってしまったのです。今までの市政とは違うという市民の期待を大いに裏切ることになったことが1点目の理由であります。

 

2点目は過去3回の設計変更協議と設計変更内容の妥当性についてです。

今回の5億円追加補正は、過去3回の設計変更協議で折り合いがつかなかったものを先送りした結果と理解しています。議会に説明がありました今回の設計変更の項目だけを見ましても増額しなければならない金額をトータルで少しでも抑えようと相当多くの減額目的の設計変更がされています。例をあげますと座席、手すり部材のグレードダウン、防水施工範囲の縮小など様々です。過去3回の設計変更内容を見ましても多くのレベルダウンがされています。これらは大幅な増額になる設計変更がなければレベルダウンする必要もなかった項目も多くあるはずです。また、長期的に考えればレベルダウンすべきでない項目もあったはずです。完成時期に少しでも建設費の増額を抑制しようとするあまり、やり過ぎがあったものと思われます。これら減額目的の設計変更による素材のレベルダウン等は長期的に考えた場合の維持管理費、修繕費が余分にかかることは間違いないでしょう。たしかに今年4月以降に建築専門職員による特別チームを編成し、JV側からの請求に対して膨大な資料を精査した結果、増額が5億円まで圧縮できたことは非常に評価できることですが、過去3回の契約変更時には、単価、数量等ここまでしっかり精査していなかったということです。こうして考えますと、過去3回の契約変更時にも厳密に精査をしていれば当初の契約金額である308億円より安くなった可能性もあるのです。

 

更には3点目、今回の増額問題が発覚し、初めて知ることができたことですが、当初の設計がこんなにお粗末であったのかと知ったことです。

市から資料提供されました過去4回分の設計変更項目を見ますと本来は当初から組み込まれているべきものが本当に多くあるのです。例をあげますと

@     外部スロープ手すりの追加

A     誘導シートの追加

B     観客用手すりの追加

C     外装材をプレキャストコンクリート板への変更

D     スタジアム建設記録映像作成 等

これらはほんの1部ですが、安全面、その他のことから考えれば、当初からあって当然のもの。これが設計変更で出てくるなどというのは当初予算をあらかじめ低くするために外していたとしか考えられません。そうでなければ設計責任が問われるのではないでしょうか。

 

最後に4点目、再発防止策と今回の処分責任が明確ではないということです。この問題は、初めての大規模事業だから仕方がないということでは済まされない問題です。今回の問題では誰も責任がなかったことになっています。豊田大橋の10億円増額時も同様だったと思われます。同じ失敗をもう2度も繰り返しているのです。今後も豊田市では、新総合体育館建設、約100億円、新清掃工場建設、約200億円など多くの大規模事業が計画されています。責任の所在の明確化と処分なくしてこの問題の再発防止と解決はあり得ません。

以上の理由により議案第81号及び議案103号に反対いたします。

 

次に議案第96号財産の取得(豊田スタジアムレストラン用備品)に反対の立場から討論いたします。

この議案は、豊田スタジアム内のレストラン用備品を1億2,300万円余で購入するもので、各種カートやチルド室、オーブン、電磁調理器、製氷機等、ケータリングに関するものを購入するとしています。

しかし、こうした備品も本来であればすべて出店されるレストランが調達されるのが当然ではないでしょうか。

本会議、委員会でもご答弁がありましたが、こうした施設に入るレストランは成功したケースが少ないということで市が購入せざるを得ないという説明でした。

そして、7月1日にレストランの出店契約を結ぶようですが、スタジアム自体の大幅な赤字同様、付帯施設でありますレストランも継続して運営していただくには市は今後も何らかの支援が必要になることは明白であります。また、耐用年数から考えましても5年から10年で更新しなければならないものも出てまいります。豊田市にとっては定期的に更なる負担を生じるわけです。

これらこの支援策の始まりでもある今回のレストラン用備品取得には反対いたします。

 


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私からも議員提出意見書第2号、道路整備予算の確保に関する意見書(案)に対して反対の立場から討論致します。

要望事項の3つ目にあります、「地方の道路整備財源について、充実強化を図るとともに緊急性、必要性の高い道路の整備に重点的に配分すること」については全く同感でありこの部分については賛成でありますが、日本全体の道路整備状況を見たときに今のままの制度で本当にいいとは思えないのです。

 

確かに道路特定財源制度は、受益負担・原因者負担の考え方に基づき、自動車利用者が道路整備費を負担する制度で、まだまだ道路が未整備な時代に早急な道路整備とその安定的な財源の確保のために創設されたものである事は理解していますし、自動車利用者が利用に応じて負担する、合理的でかつては優れた制度だった事も認識しています。


また、
平成12年度道路関係予算における道路特定財源税収は、非常に多く総投資額の45%を担っており、道路整備を推進していく上で重要な役割を果たしている事も認識していますし、私自身も豊田市において毎日のように利用している国道301号線や248号線等の国・県道整備が遅れ、早急な整備を心待ちにしていることも確かです。

 

しかしながら、国と地方の長期債務残高のみで年度内には666兆円にもなるという現在の危機的な国家財政状況を考えますと、無駄な公共事業を減らして、より優先度の高い事業に振り向けるべきだ、使われもしない過疎地の道路にお金をかけるより都市の基盤整備や福祉目的に使うことを優先させるべきだとの主張は当然ではないでしょうか。
そして、道路整備を考えれば利用者の少ない巨大な橋や高規格道路の整備より
市民生活に密着した通学、通勤に使う生活道路や歩行者、自転車が安心して通ることができる、歩道や自転車専用道路の整備こそが、21世紀のあるべき道路行政だと思っています。

また、受益負担・原因者負担の考え方に基づくというのなら自動車を利用する社会的な負担をトータルで考えなければならないと思うのです。

自家用車利用、普及に伴い公共交通機関の路線の廃止、縮小等による公共のコスト負担や大気汚染、廃棄処分時の環境負荷の増大等、私自身も含め自動車を利用者は、本来であればもっと多くの負担をしなければならないはずです。


また、我が国の総人口は、1995年(平成7年)時点で、およそ1億2500万人でしたが、少子化の影響で 2007年以降は減少に転じると予測されています。2050年にはおよそ1億人、2100年にはおよそ6700万人にまで減少すると予測されています。
こうして考えますと自動車の交通量は無限に増加し、減少はありえないとして整備計画を立案するのではなく50年、100年先の国のあり方も議論した上で空港、港湾整備、公共交通整備も含め、道路整備を検討していかなければなりません。

 

この道路特定財源の一般財源化、更には地方への税源移譲が実施されれば、現在の硬直化した国の財政も高規格道路の整備をはじめとする道路整備などから、市民、国民が本当に求める道路整備、社会福祉事業等に各自治体の判断により有効に転用できると思われます。
特に私は、今まで道路特定財源とされていた自動車重量税や揮発油税などは、税の一部を環境保護事業の特定財源にすべきだと考えています。
CO2やNoxなど排出ガスの環境問題、地球温暖化問題などへの対策としては、汚染者負担原則を基本とし、排出源である自動車の利用者からの税負担が有効であると多くの有識者も認めております。
環境施策の財源調達手段として検討すべきとの意見がある道路特定財源の一般財源化に私は賛成であり、意見書(案)にあります「道路特定財源については、道路整備以外の使途に転用せず、全額道路整備費に投入すること」という内容には賛成致しかねます。

以上で議員提出意見書第2号に対する反対討論といたします。