平成14年6月定例会 討論   議事録

○議長(天野弘治) 1番、岡田耕一議員。

○1番(岡田耕一) 私は、本定例会に提出されております3件の請願、それぞれに対しまして賛否の表明をさせていただきます。

 まずは関連がございますが、請願受理番号第2号有事法制の立法化に反対する意見書提出の請願書には反対の立場で、第3号有事関連三法案(武力攻撃事態法案・安全保障会議設置法改正案・自衛隊法改正案)に反対する意見書提出の請願書には賛成の立場で討論させていただきます。

 私は、現在も今後も含めすべての有事法制に反対するという立場をとりません。しかし、こうした法案は他の法案にもまして時間をかけ、多くの声を聞き、冷静、かつ慎重な審議が必要であると考えます。特に、今国会で提出されております有事関連三法案は、自衛隊が戦争をするために国民の財産や土地、建物、物資を取り上げたり、医師、看護婦、輸送従事者、土木建築労働者など戦争を支える要員として動員できるようにするものであります。罰則付きですので強制力を持っており、拒否すれば刑事罰が科せられることにもなります。また、政府は、所有者に通告せずに土地を収用することも検討しておりますし、言論や報道の統制についても懸念されております。このことは多くの国会議員が国会の場、その他の場で指摘されており、同時に多くの自治体におきましても問題視しております。

 全国に目を向けてみますと、多くの知事が反対表明されております。各議会におきましても反対の意見書、慎重審議を求める意見書等が国へ提出されており、今後もこの傾向が続くものと思われます。しかし、我が国が憲法をしっかり遵守していても、大規模なテロ行為に巻き込まれたり、不審船の領海侵入等に遭遇する可能性は否定できません。こうしたことへ対応する法律が整備されていないとするならば、その整備の必要性は感じます。

 また、戦力を用いるような国際紛争に巻き込まれないための外交努力、文化交流等は当然必要でありますが、万が一巻き込まれた際には、超法規的に国民の生命、財産、権利が侵害されてはならないと私は思っておりますので、国民の生命、財産、権利、自治体の自主性を保障する法案立法化の必要性については、私は十分あると考えております。

 そこで、請願受理番号第2号について考えてみますと、請願趣旨には私の思いと全く同じでございますが、請願事項であります有事法制の立法化に反対する意見書の部分につきましては、今後提出される可能性のあるすべての有事関連法案も含んで反対するというように読み取れますので、私の思いとは相入れません。ですから、請願受理番号第2号については反対させていただきます。

 しかしながら、請願受理番号第3号は、請願事項として今国会に提出された有事三法案に限って反対されており、この点では請願趣旨、請願事項ともに私の思いと同じであります。こうした考えは、国会で審議されておられる民主党の方々もこれに近いと考えます。先程討論がございました思政クラブの岩月議員の討論趣旨を聞いていましても同じと思えてなりません。ですから、ここにおられる民主党員の皆さん、思政クラブの皆さんにもぜひご賛同いただき、請願が採択されますことを心からお願い申し上げ、賛成討論といたします。

 次に、請願受理番号第4号乳幼児医療費無料制度「国への意見書」の採択を求める請願書に賛成の立場で討論させていただきます。

 現在、国民的な要求を反映して全国のほとんどの自治体が何らかの乳幼児医療費の無料化助成制度を講じております。幸い本市では、関係各位のご努力により本定例会において医療費助成制度の一部を改正する条例の上程がなされ、小学校就学前まで乳幼児医療費無料制度を拡大する見直しが図られているところであります。

 昨年9月定例会での就学前までの医療費無料化を求める請願書は、私も紹介議員として賛成討論させていただきましたが、反対多数で不採択になったものの、子育て支援の一環として今回見直しが図られましたことは大変うれしく思います。しかし、こうした助成制度の内容は各自治体ごとにまちまちであり、対象年齢や所得制限などで大きな格差が残されております。本市だけがよかった、よかったでいいのでしょうか。今回、理事者の皆さん、思政クラブの皆さんも「本市の子育て支援の一環ということを強調され、少子化対策ではない」と言われております。確かに子どもの医療費が無料になれば、子どもが増えるとは一概には言えないかもしれません。しかし、これから子どもを産もうかどうか悩んでおられる方々に対しては十分な後押しになることは否定できないはずです。

 昨年6月22日には参議院本会議にて少子化対策推進に関する決議をすべての政党会派の全会一致で採択し、少子化対策は、国会及び政府の責務であるとして、乳幼児医療費の国庫助成等経済的負担の軽減を政府に求めました。また、この数年間に国の無料制度創設を求める意見書が 1,000を超える都道府県議会、地区町村議会で採択され、国に提出されております。国の無料制度が創出されれば、自治体ごとの格差を是正し、どの子も平等に育てられる状況が確立されます。私は、健康保険制度も含め医療制度は所属健保組合、自治体間で医療保健料率、医療費助成、医療サービスに違いがあってはならないと考えています。財政的に恵まれた自治体とそうでない自治体の間の格差をなくすためにも、国が小学校就学前までの子どもを対象とした医療費無料制度を創設すべきと考えます。

 現在の国の厳しい財政状況を顧みれば、早急に無料化するのは難しいかもしれません。しかし、6歳未満の子どもの医療費自己負担額は約 2,040億円と国会でも答弁されているとおり、国と地方がこれを2分の1ずつ負担すれば、国の負担は 1,000億円程度で無料化が実現できます。むだと指摘されております多くの公共事業や特殊法人の存続等を見直せば、決して実施は不可能ではないと思われます。

 また、段階的な制度の積み上げでもいいと思います。子どもを安心して産み育てる生活環境、制度の実現は、この議場におられるすべての議員の皆さんも思いは同じだと思っております。どうか本請願が皆さんの支持者から、また、支援団体から提出されたものだという認識のもとで採決に臨まれ、請願事項であります小学校就学前までの子どもを対象とした国の医療費無料制度創設を図るため、国への意見書提出にご賛同いただき、本請願が採択されますことを心からお願い申し上げ、請願受理番号第4号の賛成討論といたします。ありがとうございました。

○議長(天野弘治) 以上で討論を終わります。

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