平成13年11月30日
豊 田 市 議 会 議 長
光 岡 保 之 様
加茂病院移転問題特別委員会
委 員 長 岩 月 幸 雄
加茂病院移転問題特別委員会調査研究結果
〜移転候補地の選定についての報告〜
本委員会は、平成13年5月16日の本会議において、「新築移転に伴う加茂病院の市民病院的病院としての機能及び建設場所、交通アクセス、公的支援のあり方及び移転後の加茂病院の跡地利用等について調査研究する」ことを目的に、次のとおり設置されました。
1 設置の経過
(1)平成13年5月16日の本会議において設置され、次のとおり委員9名が選出された。 福岡銑二、天野弘治、花井勝義、大宮愛子、水野慶一、岩月幸雄、梅村 進、八木哲也、岡田耕一
(2) 同日開催された委員会において、平成13年度委員長に岩月幸雄、副委員長に梅村 進をそれぞれ互選した。
2 調査研究事項
(1)テ ー マ
@平成13年度/機能と公的支援のあり方、建設場所について
A平成14年度/交通アクセスの整備のあり方、跡地利用について
(2)背 景
西三河北部医療圏の中核病院である加茂病院を、地域医療の充実と発展のため早期の移転新築を図る必要があることから、上記テーマを設定した。
この内、今回、建設場所についてまとめましたので、下記のとおり報告します。
記
1 調査期間
平成13年9月19日〜11月22日
2 委員会の活動状況と内容(建設場所関係)
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期 日
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内 容
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1
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平成13年9月19日
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@移転候補地2カ所の概要説明を理事者から受ける
A移転候補地選定の基本的な考え方を協議
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2
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10月16日
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@移転候補地2カ所の比較検討
A新病院に整備する機能と公的支援について協議
B行政視察先と日程等について協議
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3
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11月 6日
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移転候補地2カ所の比較検討
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4
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11月22日
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移転候補地 〃 (まとめ)
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3 候補地選定に関する調査研究結果
(1)今までの経過
平成11年度に設置された「公的医療機関整備特別委員会」は、加茂病院の移転先候補地の選定に際し、6項目にわたる「用地選定の基本的な考え方」を示した。また、併せて、移転先は「現在地から2キロメートル程度内が望ましい」との提言をした。市は、この提言等を基に13カ所の中から「御幸地区」と「上野・広川地区」の2カ所を加茂病院移転候補地として選定した。
(2)選定にあたっての考え方
加茂病院移転問題特別委員会は、この2カ所の候補地を絞るべく検証作業を進めてきた。具体的には、再度用地選定の基本的な考え方に基づいて2候補地の検証作業に取り組んだ。
また、加茂病院は西三河北部医療圏における災害拠点病院であること等を考慮し、6項目の位置に関することのみならず地形等に関する2項目を加え、下記8項目にわたる比較・検討をすることとした。
(3)比較・検討内容
@主要幹線道路に接し、周辺の道路状況の良好な位置
地 区
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現 状 等
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将 来 計 画 等
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御 幸
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北側に国道155号
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都市計画決定された道路あり
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上野・広川
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北側に県道豊田則定線
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周辺地域区画整理事業の予定あり
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※2候補地とも主要幹線道路に接しているか面している。今後も周辺の道路整備が進む。
A市民が利用しやすいと同時に、市の土地利用計画および個別法との整合が図れる位置
地 区
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現 状 等
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将 来 計 画 等
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御 幸
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都心に近く、用地は白地農地
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上野・広川
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都心に近く、用地は農振農用地
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用地買収には農振除外手続が必要
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※現況は2候補地とも農地。上野・広川地区の農振除外には期間を要す。
B現行病院の診療圏を大きく変えない位置
地 区
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現 状 等
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将 来 計 画 等
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御 幸
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現病院の南西約1.5キロb
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上野・広川
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現病院の北東約1.8キロb
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※2候補地とも公的医療機関整備特別委員会が提言した「現在地から2q程度内」に位置する。
C交通弱者のために、公共交通手段の確保が可能な位置
地 区
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現 状 等
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将 来 計 画 等
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御 幸
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2路線の鉄道駅とバス停に近く、本数も多い
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愛環は1時間に1本増える
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上野・広川
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バス路線が多く、本数も多い
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※2候補地とも1時間当たり7〜10便ある。
D入院患者の安心と良好な療養環境が確保できる位置
地 区
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現 状 等
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将 来 計 画 等
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御 幸
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西側に工場が立地するが環境上問題は無い
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上野・広川
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住居地域や公園(市中央公園)に隣接し、療養環境が良い
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※2候補地とも住居地域に近く、安心できる環境が備わっている。
E土地の取得の容易な位置
地 区
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現 状 等
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将 来 計 画 等
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御 幸
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地権者は約70名あるが、土地の取得は可能と見られる
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移転補償建造物が2件存在する
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上野・広川
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地権者は約75名あるが、土地の取得は可能と見られる
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移転補償建造物が無い
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※2候補地とも類似した状況で、土地の取得は可能と考えられる。
Fヘリポートの設置について
地 区
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現 状 等
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将 来 計 画 等
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御 幸
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敷地内に高圧送電線鉄塔が存在
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ヘリの離発着に制限を受ける(用地の有効利用を図るためには移設が必要)
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上野・広川
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ヘリコプター離発着の障害物は無い
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※御幸地区の鉄塔移設には期間を要す。
G造成工事について
地 区
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現 状 等
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将 来 計 画 等
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御 幸
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大掛かりな土盛工事は不要
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上野・広川
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矢作川との関係で大掛かりな土盛工事が必要
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※2候補地とも昨年の東海豪雨の際には、付近が浸水している。2候補地の比較・検討状況は、以上のとおりである。その結果、御幸地区においては「公共交通機関の利便性」「造成工事の容易性」「高圧送電線鉄塔の移設問題」。一方、上野・広川地区においては「療養環境面の優位性」「移転補償建造物皆無による用地取得の容易性」「農振農用地問題」等、いずれの候補地もメリット、デメリットを持ち合わせており、互いに優劣付け難い状況であり、結果として候補地を絞り込むことはできなかった。
4 候補地選定に関する提言
移転候補地については、ある程度結論が導き出せると検討を重ねてきたが、決定には至らなかった。よって、加茂病院移転問題特別委員会としては、加茂病院移転候補地の選定等に関して次のとおり、提言するものである。
(1)移転候補地の選定については、移転に関する諸条件も含め経営者である加茂病院と事業支援者である理事者が協議し、最終的には加茂病院が決定すべきであると考える。
(2)市民としては豊田市の医療の充実とともに、加茂病院の早期開院を望んでいる。このことからも理事者においては、市民の要望を満たすべく早期開院に向けて最大限の努力をすること。
5 終わりに
加茂病院移転問題に関し最重要問題である「建設場所」について、平成13年9月19日、理事者から2カ所の候補地が投げかけられ、これまで4回にわたって協議を進めてきた。
しかし、前述のとおり特定場所の選定には至らなかった。この上は、理事者は早急に事業者と協議を進め、一日も早い建設場所の決定を望むものである。
今後、当特別委員会は、公的病院である加茂病院の市民病院的機能の充実を図るため、今年度のもう一つの調査研究テーマである「新加茂病院に整備する機能と公的支援のあり方」について研究を進めていくこととする。
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