広島市

広島市ボランタリー総合支援センターについて

1、設置の経緯、運営主体及び運営方法

広島市では平成6年のアジア大会開催を契機にボランティアへの参加機運が醸成され、同12月に策定された「新世紀都市ビジョン」に「まちづくりボランティア活動」を盛り込む。84月には市まちづくりボランティア推進室を設置。97月には市民によるボランタリー総合支援センター研究会を設置。104月に(財)広島市ひと・まちネットワークに準備室を移管。同10月にボランタリー総合支援センターオープン。

 運営主体は、公民館等を管理運営している(財)広島市ひと・まちネットワーク。

2、行政との関係

整備担当としては市民局市まちづくりボランティア推進室(現、市民局生活文化部コミュニティ担当)が推進。設置後は広島市基本計画(19992010)の第2節 「協働の理念に基づくまちづくり」のなかに「市民や企業など多様な主体と行政とのパートナーシップの構築」が謳われ基本方向、取り組み内容が明記されている。

 13年度予算としては、光熱水費約1000万円、人件費約2900万円、情報システム運営費2400万円等の歳出約6660万円。

3、活動状況平和運動、憲法問題等に取り組まれる団体が多い。
センターのフリ−スペースを予約なしで自由に活用していい。(いっぱいになることもある)売買さえしなければ食事もOK

福祉関係ボランティアは社会福祉協議会のボランティアに登録し、活動される方のほうが多い。
当センターは使うための登録の必要はない。

    ロッカーを物置代わりに使っているのでこれについては登録していると思う(未確認)。
・広島市ボランタリー総合支援センターニュースの発行。

・「まちづくり実践ワーク」と題して市民活動のリーダーを養成する講座を開催。

まちづくりボランティア人材バンクを運営し、市民活動等の要請に応じて紹介
147件紹介成立/12年度)

4、今後の検討課題

新ボランタリー総合支援センター(まちづくり市民交流プラザ)移転後に登録制にするかどうか。

5、その他

平成116月「広島市ボランタリー総合支援センター研究会 報告書」発行

 「場とモノ」「情報」「パートナーシップ」「参加の拡大」「財政的支援」「運営」の6分科会に分かれて討議されたものをまとめた。

平成123月「広島の とんでる会社 おもしろ会社」発行

 広島の企業の寄付行為以外の社会貢献活動事例集

平成136月「企業の社会貢献活動に関する調査報告書」発行

 広島広域市町村圏内に本社・支社を置く企業1316社を対象に社会貢献活動に関する現状を調査・分析した。回答数231社(17.6%)前回の平成9年に続く2回目。

ボランティアの数は約1,000団体ではないか。そのうちわかるものは約480団体で90,000人が活動していると思われる。


私の質問から
Q1:公民館等施設分情報システム費を負担する?
A1:ボランティア支援として市民局予算でパソコンを配備。

Q2:メーリングリスト、メールマガジンの活用は?
A2:掲示板はある。現在は活用していない。ボランタリー総合支援センターのHPも相当のボリュームがあり、メンテナンスも大変。考えてもいいかも・・・。

Q3 ボランティア活動資金の助成の交付基準、枠は?
A3:ふるさと創生資金1億円を含む5億円の基金からの果実で500万を目標に交付する予定。実際は取り崩している。選定方法は、世田谷まちづくり方式で公開審査会を設け決定する

6、この視察を今後の豊田市政へどのように生かすか

 豊田市にも多くのボランティアが活躍されている。福祉分野、国際交流分野等、様々な分野があると思うが、私自身そうした方々のニーズがどうなっているのか把握できていない。かつて私も豊田市国際交流協会(TIA)のボランティアとして数年活動したが、TIAには、拠点施設がある。社協関係のボランティアにも拠点があるはずですし、公民館を中心に活動されているボランティアには、公民館が拠点となっているはずである。豊田市に必要なのは拠点施設ではなく、ボランティア活動支援のソフト的な制度、システムではないだろうか。まず考えなければならないのは、そうしたボランティアが今、何を求めているのかである。

 豊田市には今後、市民活動センターが松坂屋ビルに設置される。拠点はできるが、何をしようとしているのかなかなかわからない。現状のボランティアにとっての今の活動での問題点は何なのか。これからボランティア活動に取り組もうと思っている方々にとっての問題点は何か。各ボランティア同士の横のつながりは必要なのか。トヨタボランティアセンター等の大きな組織との関係はどうするのか等、一度しっかり問題点を整理し、それからソフト、ハード両面の対策を考え、予算配分も含めたトータルな精査が必要ではないか。

広島市こども文化科学館について

1、設置の主旨

 こどもの文化及び科学に関する興味と関心を高めて、創造性を喚起するとともに向上心を涵養し、社会教育の発展に寄与するために設置。

 沿革としては昭和45年に市総合計画に「広島市児童文化センター」構想を策定。49年3月に基本設計図、外形模型が完成。同4月、オイルショック等により建設見送り。529月、市総合計画に当初案の大幅縮小で再度、取り上げられ、53,54年度2カ年計画による建設決定。555月開館。

建設事業費、125,2281千円。
運営は(財)広島市文化財団に委託。

2、運営状況及び利用者数

プラネタリウム以外の入館料は無料のため他の公共施設と比較し非常に利用者が多い。
12年度の入館者数、44,580人。前年度441,095人。1日平均1571人入館。
地域別では、市内49%、市外32%、県外19%で県外の方は修学旅行の立ち寄りが多い。
雨天で広島市民球場の野球が中止になったときの入場者も多いとのこと。
年齢的には幼児29%、小学生53%で大人の5%は付き添いであろう。
プラネタリウムの観覧者数は73,997人。前年度75,109人。こちらは大人が全体の24%を占めている。
各種教室事業やワークショップ、企画展、サークル活動も積極的に開催されている。

3、今後の課題等

生涯学習、情報化社会の進展にあわせ、
どのような具体策を立てるか。教育改革にどのような役割を果たすか。

「科学技術創造立国」からの科学館への期待にどう応えるか。

職員体制からも入場者数からも飽和状態で科学館を大きくしたいと思っているが、この時勢で実現不可。理想的には、同じ館に設置している子ども図書館に移転いただき、そこを使いたい。

職員個々人では問題点を持っているが、職員の共通認識として持っているかわからない。

学校5日制への対応は今後検討しながらで今はまだ詰められていない。

館内展示物の入れ替えは予算の関係もあり10年前後に1回という形になっている。入れ替えを実施すると数年間は入場者数も増える。

4、今後、豊田市にどう生かすか

豊田市にも似たような施設で地域文化広場や産業文化センターがある。しかし、これらの施設も学校5日制への対応や生涯学習、情報化社会に対応した取り組みは進んでいないのではないだろうか。これからは、こうした施設の存在意義も問題となってくる。ただ、施設が存在すればいいのではない。楽しいだけでもいけないだろう。こうした施設や教育の問題点を明確にし、子どもたちにとって有益な環境、施設を提供していかなければならない。幸い豊田市の場合、他の自治体と比較すれば格段に財政的に恵まれている。人的にも有能な方も多く在住している。高度情報化社会の真っ只中の現在、コンピュータ、物理、化学、天文学等、様々な分野の第一人者、そして、子どもたちも交えてあるべき姿を考えるべきである。