平成16年3月9日

環境事業団  殿
豊田市    殿

市政改革とよた市民の会 
 代表   岡田 耕一   


豊田PCB廃棄物処理事業に関する公開質問状


 豊田PCB廃棄物処理事業について、本年4月には、市内細谷町に処理施設が着工される予定と聞いています。安全監視委員会も近く開催されることとなっていますが、一般市民にとっては、本事業に関する情報が十分に提供されているとは言い難く、このような状況で事業が進められることに対し非常に強い不安を抱いています。
    
 従いまして、事業主体である貴事業団、および事業の受け入れを決定した貴市に対し、以下の点についてお尋ねいたします。
    
 書面による回答をお願いいたします。なお回答期限は3月23日までとさせていただきます。また回答に際しては、事業団・市のいずれからの回答であるのかを、あわせてお示しください。
 
 1.PCB廃棄物処理事業に関して、「日本では立ち遅れているが、諸外国では安全にPCB廃棄物処理が進められている」といった点が強調されていますが、その実態は不明であります。諸外国のPCB処理事例について、その処理事業主体、処理方式、処理実績及びトラブル事例があれば、それらを明らかにして下さい。 
 
 2.日本車両製造株式会社が計画している半田市でのPCB処理事業において、同社は最良の処理方式として「気相水素還元法(PCB廃棄物を間接加熱し、PCBを蒸発させて除染する。蒸発したPCBは水素を用いて無酸素雰囲気中、常圧下で加熱し、触媒を用いることなく分解処理する)」を採用する方向であると聞いています。
 PCB無害化処理方法として複数あるようですが、市民としては、それぞれの方式の優劣を判断できるだけの情報や知識を持ちあわせていません。豊田事業が脱塩素化分解法を最も安全性の高い方式として採用したその根拠、及び環境事業団が主体となる他地域の事業が採用する処理方式とその理由を示して下さい。
    
 3.PCB廃棄物の収集・運搬中に事故が発生した場合の責任の所在が明確になっていません。また、実際の事故現場の処理にあたるのはどこなるのか、あわせて明らかにして下さい。 
 
 4.PCB分解処理後の施設からの排出物について、具体的な処理計画が示されていません。その後の処理はどこが請け負うのでしょうか。またその処理方法及びリサイクルされるものについてはその用途について明らかにしてください。
 
 5.処理事業を受け入れざるを得ないとすれば、市民としては、豊田市が今後事業に対し実効性ある監視をしていくことを強く要望するものであります。豊田市による十分な監視がなされ、安全が確保されているかをどのように検証していくのでしょうか。
    
 6.豊田事業について、いまだ地域住民への周知が十分とは言えません。今後、市の広報の特集記事として取り上げるなど、市民に対し処理事業の内容をしっかりと知らせていくことを強く要望しますが、具体的な広報活動についての考えをお尋ねします。