宇都宮市について

1、宇都宮市の中心市街地活性化について
  全国的な問題でもあり豊田市についても同様であるが、宇都宮市も「街の顔」である中心市街地の元気がないそうである。この中心市街地に活気を取り戻そうと中心市街地活性化法に基づき「宇都宮市中心市街地活性化基本計画」を平成11年3月に策定した。また、行政の持つ信頼性、民間の持つ経営力や企業によるネットワークを活用するため民間と公共が一体となった第3セクターの「宇都宮まちづくり推進機構」を設立。
  活動内容としては、公共、民間に対してのまちづくりの助言、要望や両者の調整。ならびに公共、民間のはざま事業の推進や地域振興に寄与する民間事業への支援を行うなど、まちづくりのコーディネーターとしての役目を担っている。
  具体的には、公共交通利用促進部会において、都心循環バスの導入やホリデーパーキングの増設、共通駐車券のシステムの充実に取り組み、魅力ある空間形成部会において広場、ポケットパークの創出や街なか緑化などに取り組む。賑わいづくり部会では、シンボルロード、釜川の活用や空き店舗、未利用地の有効活用などに取り組まれた。
  この「宇都宮まちづくり推進機構」は、任意の組織ではあるが、個人会員年、1口1万円、企業・団体1口5万円という会費を徴収し、現在1,200万円をこえる会費が集まっているそうである。現在の会員は、個人会員、約30名、企業・団体会員、約160名の合計、約190名で、ゆくゆくは、財団法人として法人化を目指すそうである。

2、街並み景観形成について
  「美しく魅力的な都市景観の創出」を目指し、平成2年度に「宇都宮市都市景観基本計画」を策定。市民の意識を高めるために「宇都宮市まちなみ景
観賞」を平成4年度に創設したり、夜間の明るさ、賑わいを演出するために「夜間景観創出事業」を開始した。更には、周りとの調和を大切にするために大規模建築物等景観形成届出制度も設ける。
  ライトアップによる光害問題は、認識されていない。大規模建築物等景観形成届出制度に基づき、調和の中での色等のお願いを企業にしている。しかし、各企業のイメージカラーを変えてとは言えないし、難しい問題でもある。

3、くらしのみちづくり事業について
  市全体では広域的に3環状線、12路線を基本に考え、くらしのみちづくり事業としては、市役所、県庁、二荒山神社、御本丸公園等を含むエリア、77haを対象に推進。具体的には、足かけ3年、20回以上の研究会を地元商店街メンバー15名を中心に実施し、事業費4億2,300万円かけた日野町通り整備や地元自治会メンバー10名を中心に15回以上の研究会を重ね2億4,600万円の事業費をかけた本丸通り整備等がある。
  実際に歩いてみた日野町通りは、豊田市でいうとアーケードのなくなった桜町商店街といった雰囲気。老舗が多い中で新しくおしゃれな雰囲気の店舗もちらほら。平日の夕方でもあり客足はいまいち?今回は、歩くことができなかったが、反対方向のオリオン通りは、歩いて見たかった。日野町通りに比べるとお客さんの入りの違いは歴然。今回は、商店街の活性化については特に重点的に視察していないが、オリオン通りの成功の秘訣は、しっかり学んでおく必要があったと思う。しかし、かつての100万人商圏と言っていた頃と比較すれば客足は、遠のいたのかもしれない。当然、地権者、地域中心市街地の活性化、景観形成、くらしのみちづくりの全てでいえる事は、住民の意向なくして進められないが、5年、10年後を見越しての構想なのか、20年、30年後を見据えているのかで地元の考えも市民の意識も変わってくるだろう。本市もそのあたりをしっかり議論する必要がある。
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