大阪府三島救命救急センター | ||
1、 設立経緯 ・ 今までは交通事故対応の救急体制であったが、これからは、疾病対応の救急センターが必要ということで設立。(外科外傷主体から内科主体へ) ・ 脳外科、循環器系の整備が必要。(現状の体制と患者ニーズがあっていない) ・ 誰でもどこででも受けられる体制作り ・ 現在、心筋梗塞が、全患者さんの約70%。 1962年6月 在宅輪番制の休日昼間診療を開始。(内科・小児科) 1972年4月 医師会館に固定方式の休日診療所設置。 1972年8月 救急医療対策協議会発足。 1972年10月 救急医療対策協議会より夜間休日応急診療所の開設を求める答申。 1973年8月 高槻島本夜間休日応急診療所開設。(内科・小児科・外科) 1978年4月 高槻島本夜間休日応急診療所、現在地へ移転。休日昼間歯科診療追加 1985年11月 重症及び最重症者の治療を目的とした3次の救急施設「大阪府三島救命救急センター」開設。 |
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2、施設概要 | ||
開設 :昭和60年11月1日 設置形態:独立型 (後送病院を併設していない完全な自己完結型施設) 病床数:41床(集中治療室8床を含む)、専用手術室2室 延床面積:3,509.8u 鉄筋コンクリート造3階建 総工費: 1,748,259,330円 工事請負費 967,220,000円、 備品購入費 769,039,330円、 工事監理委託料 12,000,000円 |
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3、診療科目、時間 |
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4、組織及び職員数 ・ 医師30名(救急指導医2名、救急認定医8名)、看護職員74名(通常大学,国立病院の3倍強)。 (風通しがよく、意見が言いやすく、グループに分かれにくく、規模的にちょうどいい) 能力、熱意のあるスタッフの確保が最大の課題(仕事のしやすい環境作りが大切) ・ 医師の供給は大阪医大。10数名からスタート。 実績(患者)が増えるごとに希望する医師も増加 ・ 40〜42、3歳の専門医が中心になっている。 医師は60代、1名、50代、1名、40代、8名、30代、4,5名、その他20代。 |
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5、決算状況推移及び公的補助 (単位:千円) |
S60年度 | H元年度 | H5年度 | H9年度 | H11年度 | ||
医業収入 | 189,365 | 1,040,952 | 1,386,607 | 1,331,978 | 1,516,432 | |
市、町補助金 | 170,589 | 84,851 | 430,662 | 388,871 | 399,448 | |
国、府補助金 | 19,265 | 64,748 | 264,582 | 147,484 | 145,226 | |
その他収入 | 9,507 | 10,419 | 28,258 | 32,662 | 43,763 | |
収入合計 | 388,726 | 1,200,970 | 2,110,109 | 1,900,995 | 2,104,869 | |
人件費 | 164,583 | 657,551 | 915,537 | 945,130 | 979,410 | |
支出合計 | 388,222 | 1,392,433 | 2,207,555 | 1,893,441 | 1,998,503 | |
収支差引 | 504 | ▼191,463 | ▼97,446 | 7,554 | 106,366 | |
累積赤字 | 641,888 | 526,533 |
・ H5年度の医療機器更新は、290,438千円のうち240,228千円が国,府,市,町が補助。
・ H8年度の医療機器更新190,550千円は、5年間補助(11年度は、30,715千円)。
詳細については聞くことができなかったが、およそ7割〜8割の補助率であろう。
6、独立型救命救急センターのメリット ・ 救急患者しかやらない独立した施設だからこそ、急患が連続してきても医師も自分の仕事ができたとやりがいをもってやっている。 |
7、2次救急医療機関との連携 常時専門性の高い救急医療体制を確保しているため2次医療圏(三島地域、約50%)内だけでなく府下全域あるいは他府県へと搬入地は広がっている。 これは夜間、休日における専門性の高い手術、処置を必要とする救急医療体制が、不十分なためと考えられる。 近隣の関係医療機関と協力して、心筋梗塞、動脈疾患について地域全体として迅速な受入れが可能になるように、情報の共有化を図る独自のネットワーク構築をすすめている。 |
8、今後の課題 ・当初は、救急患者さんのことだけを考え作ったので今思うと多くの不備もある。入院のことを考えていない。シャワー室もなかった。施設も古いのでバリアフリーという考えもなかった。建て替えを考えたいが、同規模としても土地、建物で50億円はかかる。 |
9、感想 病院の良し悪しは、施設,機器の充実はもちろんであるが、いかにいい医師を確保するかにかかっている。その点、当センターは熱意とやる気のある若い(40代が中心の)すばらしい医師に恵まれているようだ。いい医師の確保は難しいが、当市も医療センターについては責任を持って実績と熱意のある医師を確保しなければならないことを痛感する。また、救命救急センターも加茂病院併設ありきではなく独立型も検討すべきではないか。 |