政務調査費 視察  報告書    市民クラブ   岡田 耕一

地方議会(市町村)議員の役割と議会運営

〜分権時代の議会活性化と議員の自己革新のために

 

平成1386日(月)〜7日(火)

会場:東京都渋谷区 (社)日本経営協会 NOMAホール

 

T.分権時代における市町村議会の活性化     

加藤 幸雄 氏 (全国市議会議長会広報部長)

1、地方制度・議会制度の特色

@     機関対立型制度

 行政の独善、独走を防ぐためにこうした形になっている。議会は条例制定、市長は規則を定める。

 

A     委員会制度

戦前は、読会制であったが、戦後委員会制に移行。

1、専門性 2、少人数,迅速 3、柔軟に審査 4、1問1答式 5、閉会中でもやれる

全議案、請願を審議するようになったのは、S40年代に入ってから

 

2、地方議会をめぐる環境の変化

@     地方分権の推進

地域のことは地域で 結果には責任を持つ → 自己決定自己責任

努力すればするだけ魅力ある街にできる

市町村も競争原理に基づき差が出る

 

A     NPM(新公共管理論)=ニューパブリックマネジメント

(アウトソーシング 民間委託 外部委託)

進むと議会でのチェックが及ばなくなる

政策決定時が重要になる

 

B     情報の公開

情報なければ参加ナシ

メモ書きでも対象になる時代

情報公開条例制定  ・・・市 97%  町・村 57%  95%は議会も実施機関

C     市町村合併の進行

国を挙げて推進している

協議会設置・・・243機関

 

3、市町村議会の活性化

@     制度に関わる方策

議員立法は例外として考えられてきたので地方分権一括法でも議員が12分の1も必要

豊田市議会の場合4人以上となる(第二会派の公明党ですら単独では提出できない)

議長に議会を召集する権利がない

議会ではお金を扱えない       これらを改善すべき

 

A     運営に関わる方策

議長の待遇改善・・・報酬も上げるべき

任期は4年やるべき、最低でも2年

         執行部が喜ぶ議会改革はない

 

B     議会事務局の充実

平均 27名の議員に9名の事務局職員 これではいい仕事ができない

もっと充実させるべき

 

C     議会報の充実

議員名

会派名

顔写真、もしくは似顔絵をいれる  豊田市議では 2点はクリア あとは、顔写真

情報センター的な役割として議会図書室も充実させなければならない

 

 

U.地方議会の活性化 −開かれた議会への試み     

   〜地方議会改革の活動から見た〜

宮沢昭夫氏(栃木県矢板市議)

1、開かれた議会をめざして

@     委員会の公開への挑戦

市民が傍聴すると議員もしっかり勉強するので活性化する

反対論としてスタンドプレーが増えると言うが市民もそのあたりは見抜くはずである

本会議での委員長報告であるが、豊田市議会では形式的なことしか言わない。私はほとんど傍聴しているので大体把握しているつもりで問題意識をもっていなかったが、他市議会ではしっかりした委員長報告をしているようである。他の市議会本会議の傍聴の必要性を感じた。

豊田市議会では委員長が委員に市民の傍聴の賛否をはかり許可を与えているが、スペースの問題もあるが、原則、出入り自由な委員会傍聴にすべきと考える。

A     議会の情報公開への挑戦

豊田市議会はそんなに遅れてはいないと思われるが、市民が納得できる公開度、透明度にすべきである。

 

2、議会の自己規制からの解放

@     会議規則・委員会条例の問題と改正

私自身、まだ問題意識が欠如しているので徐々に調査研究していく。

 

A     政務調査費条例の問題と改正

豊田市議会の場合、公開度、使途等も市民に十分説明ができる内容になっている。強いていえば公聴費についても認めていただけるよう要望する。

使途基準についても条例に入れるべきという意見もある。

 

3、議員の自己革新

@     議会活動の評価の試み

議員として最低限の勉強をすべき

そのための基準として議員研修条例を提案する(宮沢氏)

各自治体では議員の通信簿(通知表)を付けようという市民グループが多くある。私も評価される側になるが、市民が自ら選んだ議員が議会でどのような問題意識をもって活動しているのか中立な立場の方々が評価するのは改選時大いに参考になるのではないか。

豊田市でもぜひ取り組んでいただきたい。私は中心になるのも・・・。

 

A     議員の自己革新

市民参加型の市議会改革をすすめるべき

 

 

V.市町村議会の会議規則・委員会条例と議会運営     

中島 正郎 氏  (元市議会議長会事務局次長)

 

1、地方議会の法的地位と議会の権限

@     憲法および地方自治法上の地位

A     議会の権限

B     議員の権利執行

 

2、議会と執行部との関係

@     諮問機関型A議会万能型B無法型C大統領方と議員内閣制の混在型

予算編成権のある首長とチェック機能をもつ議会

議会から来る監査委員,天下りの監査委員・・・チェックが甘い

カナリアは鳴くから価値がある→議会、議員も鳴くから価値がある(鳴かない議員はいらない)

 

議会は将来性があるかどうかを判断すべき(綿密に採算性を考える)

木も林も森も見るべき←事務屋と違うところ

 

4、会議運営の基本と議事のルール

@     会議の諸原則A法令による本会議及び委員会の運営

5、意見書・決議

@     意見書の法意と議会手続きA決議

6、請願・陳情

@     請願の法的根拠と取り扱いA陳情

7、議会の規律と懲罰

@     議場の秩序維持A品位の保持B侮辱に対する処置C欠席議員の懲罰D懲罰の種類と除名

8、法外会議

@     全員協議会・委員会協議会A委員長会議、議員連盟、期成同盟会B代表者会議

9、議会事務局の任務

 人数は増やすな、パワーアップするように 事務局職員も税金負担である

10、                            各種問題設定

     助役,収入役等の人事案に対して議案の受理の拒否はできない

     一般質問で一部事務組合、3セクについて問えない

     紹介議員が1人のときでその議員が審議中に死去したときは引き続き審査できる

     常任委員会の会議に請願者、陳情者を呼び出して説明、質疑はできないが、参考人として決定してからであれば可能

     議長または議会に対して公開質問状が提出されても自治法上回答の義務はない。しかし、いろんな議論をして回答したほうがいい

     請願に対する採択,不採択の基準として考えられるものは何もなく、高度な政治判断で決められている。しかし、4年間も継続審議しているのは恥ずかしい

     会派または、政党に対する誹謗発言は地方自治法第133条の侮辱に対する発言として3日目までなら処分要求できる