豊田市議会議員の
海外調査研究視察について考える

海外視察検討委員会で検討された海外調査研究視察実施要綱がまとまりました。以下の内容をお読み頂き、ご意見いただけましたらありがたく思います。


海外調査研究視察の検討結果について。以下、実施要綱の一部です。

目的
少子高齢化、環境問題が深刻化、海外流入人口の増加等、我々は、未だかつて経験したことのない社会を迎えている。この状況は、我が国に限ったことではなく、海外諸国においても同様である。そこで、数多くの今日的課題に対し、、諸外国はどのように取り組んでいるのか、また取り組んできたのか、、その事例等を調査研究し、市民生活にゆとりと安らぎをもたらすための政策推進に役立てるものである。併せて、都市間交流の促進及び国際友好関係を図るものである。


研究テーマ @福祉A教育B環境C街づくり等、今日的課題の解決策を諸外国に学ぶものとする。
実施方法 全議員を対象とし、全議員に、調査研究項目等の希望をとり、3調査団を編成して実施する。
実施時期 平成16年度中に実施する。
時期 各調査団に任せる。
実施期間 12日程度とする。
旅費 一人120万円以内とする。
視察先 アジア、アメリカ、ヨーロッパの3地域とする。
報告 海外調査研究視察実施後は、全議員への報告会、議会報の掲載、視察先別報告書の作成等を行い、市民等への情報提供にも配慮するものとする。
その他 業者選定方法は、2社以上の競争によるものとする。 
 
等である。


 ここまで検討された検討委員会には会派を代表して、篠田代表が私たち3人の意見を代弁していただいたが、私としては今日までに決まった事項について大きくは、4つの異議がある。

@視察先をアジア、アメリカ、ヨーロッパの3地域としているが、本来であれば、まず、何を調査するのかテーマを決めてから視察先を決定するのが本来あるべき姿ではないか。先に視察先(地域)を決定し、テーマを後に決めるとは本末転倒であると考える。

A実施期間を12日程度と先に決めることにも疑問がある。本来は、何箇所(項目)の視察を実施すべきかと考えるべきで、その結果、何日程度の視察日数が必要となるはずである。 長距離の移動を繰り返せば12日で10箇所程度しか視察できない可能もあるが、上手にスケジュールを組めば1日に2箇所の視察、または同じ都市で複数の調査研究ができる日が多く取れるはずである。

B実施時期と3班編成についても異議がある。16年度中に3調査団とも派遣する必要はなく、2年に分けていいはずである。 3班編成ということは、1班 13、4名の議員+2名の随行職員という視察団となる。先日も同規模の人数の特別委員会視察を実施したが、移動にも無理があり、質問さえしない議員も多数。 団員が多くなればなるほど、緊張感もなくなるという事態も想定される。 私は、2年に分けて4班編成にすべきだと思っている。 非公式の話では、17年度に実施するとなると合併後の新議員の派遣をどうするかという議論が必要となる可能性があり、その前に実施したいからといった声も聞く。 そこで16年度中に4班すべてが、視察に行くようであれば議会事務局も対応できないということでこうなったとも聞く。疑問だらけの決定経緯である。

Cそして市民にとっての関心事項は、やはり視察旅費ではないだろうか。前期は、80万円以下、そして今期は120万円以下。実に5割増である。 先日の11月臨時会では、人事院勧告に従い、我々議員や特別職の期末手当の引き下げや職員給料の引き下げも審議され、可決された。こうした状況の中、自分たち議員だけは自らに対して厳しさが足りないという、いわゆるお手盛りと指摘されても仕方がないのではないだろうか。 なぜ旅費が高いか?それは、国際線利用は、ビジネスクラス利用を前提としているからである。「議員としての職務でいくのだからビジネスクラス利用も市民の理解が得られる」という議員の声もあるが、私はエコノミーでも十分だと思っている。 私は、現在の経済状況の中でただでさえ、海外視察をとりやめている議会が多い現在、増額は市民理解が得られないと思っている。

 ともに活動している市民の会のメンバーからの意見では、海外視察の意義は認めながらも、特に視察費用を、1人あたり従来の80万円から120万円に引き上げて計画していることについて「常識離れしている」という意見が多数であった。当然である。
 行政は、最少の費用で最大の市民サービス(効果)を提供するという使命がある。それをしっかり監視、提言するのが議員の役目である。我々が、議員として常に事業の意義、費用対効果等を追及している立場で1.5倍もの増額予算では説明ができない。もっと多くの方にこうした議員意識の現状を知っていただき、視察辞退を視野に入れて活動していきたい。


※議長宛の海外調査研究視察申込書は、アメリカコースを第1優先として提出。あわせて、下記の事項を付け加えた。
 「なお、視察旅費について私の考える費用(限りなく80万円に近付ける)を大きく超える場合、計画の途中であっても団から抜ける可能性があることを申し添えます」と。

 皆さんはどう考えますか。ご意見いただけましたら幸いです。ML、BBSでも併せてご意見募集中。okada@ko1.org